Bois's diary


20.04.03

2020年04月03日
日々の出来事
 

 

今日は、最後のお別れの日でした。。。

 

 

 

海遊びが大好きなご家族Wさんご夫妻との出会いは

 

自由が丘にBois設計室の事務所があった頃

 

道路を挟んでお向かいにお店を出されたWさん夫妻が訪ねていらしたのが最初でした。

 

Bois設計室の家づくりにすごく共感してくださって

 

海好きのご夫妻と3人の子供たちのための週末を過ごす家を私が設計させていただきました。

 

 

建築中に東北の震災が起きてしまったりしましたが

 

何とか無事出来上がってからは良く遊びに使って頂いていました。

 

年賀状や事あるごとに、今度は自宅を藤田さんに設計してもらいたいです!

 

と奥さんの言葉をいただきました。

 

その言葉を聞くたびに

 

私は、自分の仕事に邁進していいんだという気持ちになれるのでした。

 

 

何年か経って、Wさんの奥さんのご実家で、ご家族みんなが使える様に古民家を改修したいというご依頼があって

 

引き受けました。

 

ところがその後、私の怪我もあったりで、中々その設計に着手出来ずに延び延びとなってしまっていました。

 

Wさんの奥さんは、いつでも良いですよ〜藤田さんのペースで進めてくださいと言ってくださっていましたが

 

そうこうするうちに・・・・・

 

昨年奥さんに癌が見つかってしまいました。

 

私は、自分の力不足と不甲斐なさに打ちのめされた気分でした。

 

どうしてもっと早く着手してあげられなかったのか・・・

 

 

 

それからは、彼女の癌と競争する様に工事着手まで辿り着き、工事が始まりました。

 

彼女もすごく気丈にそして常に明るく、希望を持って癌と闘っていました。

 

本当に強い人でした。

 

我慢強過ぎて心配になるくらい、ほかの人のことばかり気にかけて

 

自分のことは後回しにしてしまう、優しい方でした。

 

 

あともう少しで完成するのになあ・・・

 

 

 

すごく頑張って、希望を絶対捨てなかったWさんの奥さんは

 

先日旅立ってしまいました。

 

 

 

そして今日、彼女をお見送りしました。

 

 

 

これまで闘病を支え続けたご主人の深い深い悲しみやお子さん達の不安や悲しみ

 

ご両親や妹さんの心中を思うとやりきれない、、、、

 

 

 

工事がなかなか思う様に進まず焦る私に、

 

Wさんの奥さんは頑張れとは言わずに

 

楽しみにしてます、一つ一つ出来上がっていくのを写真で見てそれを嬉しいです、

 

といつも言ってくれました。

 

 

今日、葬儀で彼女を見送りながら思った事は、

工事が完成しない限り、私はまだ、Wさんの奥さんからのミッションを達成してないって事。

これではまだ、本当にはお別れできないなと。

 

本当に不思議な事で

彼女はもう居ないけど、まだ私の背中を押してくれてる気がする。。。

泣いてないで、良いもの作ってねって言われてる。

 

 

葬儀の帰り、うちの近所の菅生緑地に桜を見に立ち寄りました。

 

いつもは閑散としている緑地で、子供達や家族連れが遊んだりお花見したり。

 

 

また来年、桜を見る時はWさんの奥さんを想おう。。。

 


 


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PROFILE   プロフィール 

一級建築士
藤田 敦子 Atsuko Fujita
 
1971年大阪生まれ。淀川のほとりのベッドタウンで育つ。神戸の設計事務所にて住宅・集合住宅の設計に携わる中、阪神・淡路大震災を経験。その後ヨーロッパへのべ半年放浪し様々な人々の暮らしと有名建築を見て歩く。帰国後上京し、都内中規模ゼネコンにて住宅・店舗・オフィスビルなどの設計・現場管理に携わる。2006年に無垢の木と漆喰の家づくりに出会い、2008年独立し一級建築士事務所Bois設計室を開設。現在に至る。

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