Bois's diary


うれしいお便り

2019年09月05日
 

 

八月の終わりに、数年前設計させていただいたお家のお父さんからはがきが届きました。
 
お父さんは元学校の先生で、美術を教えていらした方なのですが
 
色鉛筆画を描いて送ってくださいました。↓

 
お父さんの好きなイタリアの画家、ジョルジョ・モランディの風景画。
 
はがきには、自分たちの家にはこういう絵が似合うと思うと書いてありました。

↑これがモランディの絵。《6本の若木のある風景》、1943年 油彩
 
 
 
ジョルジョ・モランディ(1890-1965)はイタリアのボローニャで一生独身を通して生きた画家です。
 
やはり独身を通した3人の妹たちと暮らしていたそうです。
 
 
いろんな批評を読むと、「その暮らしはまるで僧侶のよう・・・」と表現されています。
 
画壇で脚光を浴びるとか絵が売れるとか
 
注目を集めることを好まず、ひたすら静かに創作する時間と暮らしを守り抜いて生きた画家なのだそうです。
 
モランディが描いたものはほとんどが静物と風景。
 
それも、アトリエにあるツボやピッチャーや瓶などを何度も何度も配置や手法を変えて描き続けました。
 
風景画もアトリエから見える何でもない風景ばかりです。


 
↑モランディの作品の中で私が好きなのは1945年以降の静物画。戦争が終わってからの作品は色彩が柔らかく優しくなっている気がする。
 
 
絵の具も当時の画家たちの多くが使ったチューブ入りの絵の具ではなく
 
鉱物や土から採った顔料にこだわっていたそうです。
 
私もモランディが好きです。
 
おこがましいかもしれないですが
 
私の取り組んでいる家づくりの根本で目指しているものと色々共通するものを感じたりもします。
 
メキシコの建築家ルイス・バラガン(1902-1988)もモランディと同時代を生きた人ですが
 
バラガンも私は大好きで。
 
この人も一生独身で過ごし、僧侶の様であったと評されることも多い人です。
 
建築に対する考え方や静かで簡素な生き方が好きなのです。
 
この二人、外見もちょっと似てます。二人ともとても背の高い面長の顔立ちです。
 
お父さんからこんな素敵なはがきを頂いて
 
そしてモランディがお好きだと知って私はすごく嬉しくなったのでした。
 
今度お家に伺ったら、モランディの話をたくさんしたいと思います。
 
 
 

 


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PROFILE   プロフィール 

一級建築士
藤田 敦子 Atsuko Fujita
 
1971年大阪生まれ。淀川のほとりのベッドタウンで育つ。神戸の設計事務所にて住宅・集合住宅の設計に携わる中、阪神・淡路大震災を経験。その後ヨーロッパへのべ半年放浪し様々な人々の暮らしと有名建築を見て歩く。帰国後上京し、都内中規模ゼネコンにて住宅・店舗・オフィスビルなどの設計・現場管理に携わる。2006年に無垢の木と漆喰の家づくりに出会い、2008年独立し一級建築士事務所Bois設計室を開設。現在に至る。

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